マーク・ブラッドフォード(1961年生)MARKBRADFORD 
ロサンゼルスを拠点とするアーティスト、マーク・ブラッドフォードは、絵具を操作し、拾った素材をコラージュすることで生まれる地図のような構成でよく知られています。これらのグリッドは、地図の柔軟性と、そのデザインから生まれる多様な物語を探求しています。人種、権力、性的指向、社会的・経済的階級、その他無数の要因が、地図の描き方に影響を及ぼしている。ブラッドフォードの地図は、南ロサンゼルス出身の黒人アメリカ人として、1980年代のエイズ危機に完全に巻き込まれた彼の個人的な体験に関係している。
高校を卒業すると、ライマートパークの母親のサロンでヘアスタイリングを始める。1980年代には、アムステルダム、パリ、ベルリン、スイスなど、ヨーロッパに頻繁に足を運んだ。小説に触発されたこともあるが、エイズへの不安もあった。1990年代初頭、旅から戻ったブラッドフォードは、サンタモニカカレッジのアートプログラムに応募し、2年間、無料で指導を受け、スタジオスペースも提供された。そこで指導を受けたジル・ガイグリッチは、彼の作品に将来性を見出し、カルアーツに推薦し、すぐに全額奨学金を受けることになった。カルアーツ大学院を卒業後、母親の経営するヘアサロンに戻った彼は、そこで自分の作品制作の方法を見つけることになる。
ブラッドフォードは、ナショナル・メダル・オブ・ザ・アーツ(2015)、ジョアン・ミッチェル財団助成金(2012)、マッカーサー・フェローシップ(2009)、ウェクスナーセンター・レジデンシー賞(2009)、ホイットニー美術館のバスバウム賞(2006)など多くの賞、メダル、フェローシップを作品に対して受賞している。また、ハマー美術館(ロサンゼルス)、ワズワース・アセニアム美術館(コネチカット)、デン・ハーグ美術館(ハーグ、オランダ)など、米国内外でグループ展や個展を開催している。メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、シカゴ現代美術館、ボストン美術館、ニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ウォーカーアートセンター(ミネアポリス)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)、ハマー美術館(ロサンゼルス)など、パブリックコレクションに多数収蔵されています。