グラント・ウッドはアメリカの画家であり、地域主義運動の中心人物であった。アメリカ中西部をなめらかに描いた作品で知られ、代表作の『アメリカン・ゴシック』(1930年)は、20世紀を代表する絵画のひとつとなった。ゴシック・リバイバル様式の家の前に並んで立つ男女の農夫を描いた、少し不穏な雰囲気の作品である。「技術は芸術ではない。また、"美 "として知られる、日常生活の現実からかけ離れた曖昧で朦朧としたロマンティックな質でもない。「芸術においてまず重要なのは、芸術家の経験の深さと激しさなのだ」。1891年2月13日、アイオワ州アナモサに生まれたウッドは、ミネアポリスのハンディクラフト・ギルド・スクールで美術と工芸を学び、シカゴ美術館付属美術学校に進学した。1923年にはヨーロッパに渡り、パリのアカデミー・ジュリアンで学び、印象派のスタイルで街の風景を描いた。留学中、ヤン・ファン・エイクのようなドイツやフランドル地方の画家の繊細な画風に影響を受けるようになる。米国に戻ったウッドは、北方ルネサンスの技法と中西部の伝統を新たに受け入れ、融合させた。他のアメリカン・リージョナリストであるトーマス・ハート・ベントンやジョン・ステュアート・カリーのように、ウッドもトウモロコシ畑や農民、アメリカの歴史的風景を描くようになる。1942年2月12日、アイオワシティで死去。
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