キース・ファン・ドンゲン(1877~1968年)

キース・バン・ドンゲン オランダ生まれのフランスの画家・版画家で、フォービズムを代表する一人。
ヴァン・ドンゲンは、若い頃から芸術的な志向を持っていた。ロッテルダムの王立芸術アカデミーで学び、20歳でパリに渡った。モンマルトルのボヘミアンな雰囲気の中で、住宅画家、風刺紙の挿絵画家、カフェの画家として活躍した。
当初は印象派の手法で制作していたが、1900年代初頭には色彩がより鮮やかになり、濃縮されていった。アンリ・マティスと知り合ったファン・ドンゲンは、1905年の有名なサロン・ドートンヌに参加し、そこで、攻撃的で感情的な筆致と純粋で混じりけのない色彩から、フォーヴ(野獣)と呼ばれるグループを結成することになる。1907年にパブロ・ピカソのディーラー、ダニエル・ヘンリー・カーンヴァイラーと契約すると、その名声はさらに高まった。1908年にはドイツの表現主義グループ「ディ・ブリュッケ」(「橋」)に参加したが、フォーヴィスムへの傾倒は変わらなかった。
ヴァン・ドンゲンの率直で色彩豊かなポートレートは、第一次世界大戦の終わり頃には大いに流行し、以後も彼の中心的な作品となった。大きな瞳と赤い唇を持つ魅力的な女性像は、彼の原型となった。作家アナトール・フランスの肖像画(1917年)は特に有名である。肖像画のほか、リトグラフも制作し、色彩豊かな海景やパリの風景を、確実で経済的なスタイルで描いている。

(ブリタニカ・ドットコム)

アートワーク

アーティスト・問い合わせ