ハリー・ベルトイア (1915-1978)
出所
プライベート コレクション175,000
音響的な特性と美的な魅力に優れ、ベルトイアが好んだ素材であるベリリウム銅で作られた棒は、時間の経過とともにクルミのような豊かなパティナを帯びてきた。このパティナは、彫刻の視覚的魅力を高め、その歴史的・芸術的価値を高めるとともに、自然主義者であった芸術家自身が賞賛したであろう自然な経年変化を反映している。触ったり、空気を動かしたりすると、ロッドはさまざまな幽玄な音色を伴って、知覚可能な固定音を発し、彫刻を静的なオブジェから動的で多感覚的な体験へと変貌させる。背の高い棒が長く揺れ動く様子は、作家が最初にインスピレーションを得た、うねる砂漠の草を彷彿とさせ、魅惑的な視覚的次元を加えている。カタツムリのようなフィニアルはさらに自然のフォルムを想起させ、ベルトイアが自然界から得たインスピレーションを強調している。
ベルトイアの36タインの彫刻「ソナンビエント」は、視覚的な傑作というだけでなく、音、素材、参加型の相互作用を深く探求している。この作品は、没入的で進化する体験としての芸術に対するベルトイアの信念を体現している。この作品を通して、ベルトイアは、彼の芸術的ビジョンの不朽のパワーと自然の精神的特質との深い結びつきを浮き彫りにし、魅了しインスピレーションを与え続ける不朽の作品を作り上げた。